L-アルギニン

無題

 思うに神が我々に与えたもうた恩寵は、物の関連性に思い当たる能力を、我々人類の心から取り除いたことであろう、人類は無限に広がる暗黒の海に浮かぶ〈「無知〉の孤島にいきている。いうなれば、無明の海を乗り切って、彼岸にたどりつく道を閉ざされているのだ。諸科学はそれぞれの目的に向かって努力し、その結果が人類を傷つけるケースは、少なくともこれまでのところ多くはなかった。だが、いつの日か、方面を異にしたこれらの知識が総合されて真実の恐ろしい様相が明瞭になるときがくる。その時こそ、我々人類は自己の置かれた戦慄すべき位置を知り、狂気に陥るのでなければ、死を秘めた光の世界から新しく始まる闇の世界に逃避し、かりそめの平安を希うことにならざるを得ないはずだ。

H・P.・ラヴクラフト 「クトゥルフの呼び声」 より抜粋
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